歯科口腔外科とは
お口の中の外科的な治療を行います。
お口の中にできた腫瘍の摘出・親知らずの抜歯・あごの関節の治療から舌や粘膜の異常まで対応します。そして外科的な治療には画像診断がとても重要です。
当院では新型のX線CT診断装置により、従来のレントゲン診断装置に比べて以下のような特徴があります。
- 低い放射線量でハイスピードな撮影により、患者様の負担を減らします。
- 高画質で様々な撮影モードにより、細部も鮮明に確認できるため、より的確な診断ができます。
抜歯
むし歯や歯周病が進行することで歯を保存することができなくなった場合は、歯を抜くことがあります。
患者様の中には「歯医者では歯を抜かれる」というイメージを強く持っている方も多いかもしれません。
しかし最近の歯科治療では、可能な限り歯を残すという考え方が第一選択としてあります。当院でもその考え方にのっとって治療を進めてまいります。
ですが、お口の中の環境を改善するために抜歯を必要とする場合も多いのが現状です。
また、親知らずの抜歯も当院では対応しております。事前にCT撮影・十分なリスク評価を行い、処置を行います。特にリスクが高いケースは提携医院を紹介することがあります。
口腔の炎症
口腔の炎症が歯を原因とする場合、歯肉などに炎症が生じたりします。歯根の先や歯の周囲から細菌が侵入して感染してしまうためです。
原因となる歯の治療は、再発を防いだり顎の炎症の重症化を防ぐ上でとても大切です。歯を原因としない場合、「口内炎」と呼ばれるものが一般的で、舌、頬、唇などの口の粘膜に炎症が生じます。
口腔の腫瘍
口の中には内臓同様、様々な腫瘍が生じます。悪性腫瘍(口腔癌)の発生も多く認められ、舌・歯肉・頬粘膜・顎骨・唾液腺などに生じます。一般的には、しこりを伴うただれやこぶが見られます。
顎顔面の外傷
「顎顔面外傷」は、顔の皮膚/口の中の粘膜の損傷・顎顔面骨の骨折・歯の破折・歯の脱臼など顔面に負った外傷のことです。原因は、交通事故、作業中の事故・転倒・殴打など様々です。
負傷した部位にもよりますが、審美面での変化も問題となります。早期治療を行うことで機能・審美性の回復も可能ですので、お早めにご相談ください。
口腔粘膜疾患
「口腔粘膜疾患」とは、歯肉・舌・頬など口の中の粘膜に発症する病気です。よく見られる症状として「口内炎」「前癌病変」「口腔癌」が挙げられます。
歯周外科治療・歯冠延長術(クラウンレングスニング)
クラウンレングスニングとは、歯冠延長術とも呼ばれる歯茎の処置の治療法です。むし歯が進んで歯茎の上に出ている歯の部分(歯冠)がほとんど無くなり、歯の根までむし歯が進行して歯茎が覆いかぶさった状態になってしまうと、通常のむし歯治療では歯に土台が作れないため抜歯になります。
また総じて歯周外科治療とも呼ばれ、歯肉の退縮を改善する根面被覆術や歯肉の厚みを改善する結合組織移植術等さまざまな症例に対応が可能となっております。
出血すると血がとまりにくい血液疾患・臓器疾患・骨粗しょう症によりお薬を服用されているなど、全身疾患を抱えている患者様の場合は医科との連携を行い相談しながら治療を選択していきましょう。
親知らずとは?
親知らずとは、歯を左右真ん中から分けて前歯から数えて8番目に生えてくる一番奥の歯のことです。
昔は現代のように栄養が摂れなかったため、寿命が短く親知らずが生えてくる頃には親が亡くなっていたために、このような名前になったと言われています。
親知らずは歯科界では「智歯(ちし)」と呼ばれていて、20-30才頃に生えてくるとされていますが、中には生えない人もいます。
上下左右1本ずつで合計4本生える人もいれば、下の歯2本だけ、上の歯1本だけなど個人差があります。
また他の歯と同様まっすぐ上に生える場合もあれば、横向きに生えたり、顎の骨の中に完全に埋まって生えてこないこともあります。
親知らずを抜歯する時のリスク
親知らずは一番奥に生えてくる歯のため、歯ブラシが届きにくくむし歯になりやすいことで知られています。
また、親知らずと1本手前の歯との間にもむし歯ができやすかったり、横向きで生えている親知らずは前の歯を押してしまうため歯並びに悪影響を与えることもあり、抜歯をした方が良いケースも多々あります。
しかし、親知らずを抜く際のリスクもあるのでご説明します。
- 上顎洞に穴が空く
- 抜歯後痺れや麻痺が残る
- ドライソケットになる可能性
- 頬の腫れや痛み・あざができる
- 口が開けにくく、食事がしづらくなる
- 一部の歯が残る
- 感染
- 顎関節の脱臼
上の親知らずの根っこは上顎洞と呼ばれる鼻からつながる副鼻腔に近いため、抜歯をした際に上顎洞に穴が空いてしまうことがあります。 ほとんどが自然治癒しますが、副鼻腔と交通してしまうと水や空気・血液が鼻から漏れたり、細菌感染をおこし上顎洞炎になると蓄膿症に似た症状が出ることがあります。 その際には耳鼻科で専門的な治療が必要になります。
下の親知らずは、太い血管と神経が走る下歯槽管という管に近いところにあります。 抜歯の際に神経を傷付けてしまうと、出血が止まらなくなったり、抜歯後に舌や唇・歯ぐきや顎に痺れや麻痺した感覚が短期・長期的に残ることがあります。 ほとんどのケースが一時的な症状で完治しますが、月単位・年単位で症状が残ることもあり、大学病院などで治療が必要になることもあります。
抜歯後は抜いた部位に血液が溜まり、次第に穴が塞がり歯ぐきへと変わり治癒していきます。 しかし、溜まった血液が流れてしまい顎の骨が丸見えの状態になると激痛が走りいつまでも痛みが治らない状態になります。 この状態をドライソケットと言いますが、このようなケースではステロイド軟膏と局所麻酔を使って穴を塞ぐ必要があります。
特に下の親知らずで埋まっている歯を抜歯する際には、顎の骨を削ることになります。 侵襲が大きい処置になるため、抜歯後はかなりの確率で頬が腫れることになります。 一時的にあざがでることもありますが2週間〜1ヶ月ほどで消えます。
下の親知らずは喉に近いところに位置しているので、歯ぐきを切ったり顎の骨を削る処置をした際には腫れの影響で口が開きにくくなります。 噛みにくさや痛みで飲み込みづらさも感じることになるでしょう。 2週間ほどで腫れがひいてくると自然に口が開けられるようになります。
親知らずの根っこが曲がっていると、抜歯時の力で根が折れてしまうことがあります。 無理して取り省くことはせずに一部の根を残すこともあります。
稀に抜歯した部位が感染して、抜歯後10日程した頃から患部が赤く腫れ、痛みや膿が出てくることがあります。
極めて稀ですが、抜歯の処置中に顎関節が脱臼することがあります。 脱臼してしまった場合はすぐに整復治療します。
抜歯後の注意点
圧迫止血をする
抜歯後はじんわりと血がにじむのは普通ですが、出血が止まらない場合には20分程ガーゼを噛んで圧迫止血をします。
歯科クリニックで滅菌したガーゼを貰えますが、無い場合は清潔なガーゼを使用するのでも良いです。
強くゆすがない
抜歯後の出血を気にしてしまい強くゆすいだり、何度もお口をゆすぐ方がいますがこのような行為は治りを遅くします。
抜歯でできた穴には、血餅と言う血のかさぶたができて歯ぐきへと変わり、顎の骨もできてきて完治へ向かいます。
強いゆすぎは血餅を剥がしてしまい、感染リスクやドライソケットへと繋がるので止めましょう。
患部周囲の歯ブラシは控える
抜歯後の患部は繊細です。
歯ブラシをする時には、傷口周辺にブラシが当たらないように気をつけ強く磨かないようにしましょう。
患部が開いたり傷を付けてしまうと感染のリスクが出てきます。
禁煙する(副流煙に気をつける)
タバコに含まれる有害物質は、血液の循環を悪くして患部の治癒を遅らせます。
喫煙している方は、傷口が治るまでの治癒期間だけでも禁煙することをおすすめします。
また、禁煙している方でも副流煙には有害物質が含まれているため、喫煙者や喫煙所に近づかないよう注意する必要があります。
刺激物のある食材は食べない
辛いものなど刺激がある食材やアルコール類も特に傷口が敏感な数日間は控えた方が良いでしょう。
当日の激しい運動や入浴は控える
血液の循環がよくなるような運動や入浴・サウナは再出血に繋がるので控えましょう。 また、アルコール摂取も体が温まりやすくなるので当日は控えた方が良いとされています。
患部を触らない
抜歯した部分は一時的に穴が空くので食物などが入り込み気になることもあると思いますが、指で触ったり爪楊枝で取ろうとすると感染のリスクになります。
食後に軽くゆすぐなどして治癒するまで待ちましょう。
処方された薬は飲み切る
細菌感染や化膿止めとして抗生物質のお薬と痛み止めのお薬が処方されます。
痛み止めのお薬は痛みが心配な時や必要な時に飲めば大丈夫です。
抗生物質は案内に従ってしっかりと飲み切るようにしましょう。
抜歯をご希望の方は、赤坂にある歯医者【赤坂ひろデンタル】までお気軽にご相談ください。