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2025/11/02 ブログ

【専門医解説】虫歯放置で起こる7つの症状と最新治療法2025

虫歯は早期に治療すれば簡単に治せる病気ですが、放置するとどうなるのでしょうか。多くの方が「痛みがなくなったから大丈夫」と思い込んでしまうことがありますが、実はそれが危険信号かもしれません。

虫歯を放置することで、単なる歯の問題だけでなく全身の健康にまで影響を及ぼす可能性があります。最新の研究では、口腔内の細菌が全身に広がることで様々な疾患リスクを高めることがわかっています。

この記事では、虫歯放置によって起こる7つの症状と、2025年現在の最新治療法について詳しく解説します。私の臨床経験と最新の歯科医学知見を元に、あなたの大切な歯を守るための情報をお届けします。

虫歯を放置するとどうなる?7つの症状

虫歯は進行性の疾患です。初期段階では自覚症状がほとんどないため、気づかないまま放置してしまうことが少なくありません。

虫歯を放置すると、徐々に症状が進行し、最終的には歯の喪失や全身の健康問題にまで発展する可能性があります。ここでは、虫歯放置によって起こる7つの主な症状について詳しく解説します。

1. 激しい痛みが出る

虫歯が進行すると、冷たいものや熱いものがしみるようになります。これは、歯のエナメル質が溶け、内部の象牙質が露出することで起こる症状です。

さらに進行すると、何もしていなくてもズキズキと激しく痛むようになります。これは虫歯菌が歯の神経まで到達し、炎症を起こしている証拠です。この段階では、食事だけでなく日常生活にも支障をきたすほどの痛みを感じることもあります。

痛みを感じ始めた時点で、すでに虫歯はかなり進行しています。この段階で早急に歯科医院を受診することが重要です。

2. 痛みがなくなる(危険信号)

激しい痛みの後に、突然痛みを感じなくなることがあります。これは虫歯が治ったわけではなく、むしろ状態が悪化した証拠です。

痛みがなくなるのは、歯の神経が死んでしまったためです。歯髄壊死という状態になると、歯の色が変わり、痛みを感じなくなります。しかし、この状態は非常に危険で、放置すると根の先に膿が溜まり、骨にまで感染が広がる可能性があります。

「痛みがなくなったから大丈夫」と思わず、必ず歯科医院で診察を受けてください。

3. 噛めなくなる

虫歯が進行すると、歯の構造が弱くなり、噛む力に耐えられなくなります。そのため、硬いものが噛めなくなったり、噛むと痛みを感じたりするようになります。

さらに進行すると、歯が欠けたり折れたりして、食事が困難になることもあります。これは生活の質を著しく低下させるだけでなく、栄養摂取にも影響を及ぼします。

噛む機能は私たちの健康に直結しています。噛めないことで食事の内容が偏り、全身の健康状態にも影響が出る可能性があるのです。

4. 口臭が強くなる

虫歯菌が食べかすを分解する際に発生するガスによって、強い口臭が生じることがあります。特に重度の虫歯では、歯の内部で腐敗が進み、非常に強い口臭の原因となります。

この口臭は通常の歯磨きやマウスウォッシュでは解消できません。虫歯を治療しない限り、口臭は改善しないのです。

口臭は社会生活においても大きな問題となります。周囲の人との会話や対人関係にも影響を及ぼす可能性があるため、早めの治療が必要です。

5. 根の先に病巣ができる

虫歯が歯の根の先まで進行すると、根尖病変と呼ばれる状態になります。これは根の先に膿が溜まり、小さな袋(嚢胞)を形成する状態です。

根尖病変になると、噛むと痛みを感じるようになります。さらに進行すると、顔が腫れたり、発熱したりすることもあります。重症の場合は、入院して点滴治療が必要になることもあるのです。

根尖病変は単なる歯の問題ではなく、顎の骨にまで影響を及ぼす深刻な状態です。早急な治療が必要となります。

6. 全身疾患のリスクが高まる

最新の研究では、口腔内の細菌が血流に乗って全身に広がることで、様々な健康問題を引き起こす可能性が指摘されています。

特に注意すべきなのが、心臓病や糖尿病との関連性です。口腔内の細菌が血管内に入り込むことで、心臓の弁に炎症を起こしたり、糖尿病を悪化させたりする危険性があります。

また、虫歯菌が血流に乗って全身に回ると、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高める可能性もあります。口腔内の健康は全身の健康と密接に関連しているのです。

7. 副鼻腔炎や骨髄炎を引き起こす

上の歯の虫歯を放置すると、細菌が鼻に回って副鼻腔炎を引き起こすことがあります。副鼻腔炎になると、発熱、頭痛、鼻づまりなどの症状が現れます。

また、虫歯菌があごの骨まで広がると、骨髄炎を引き起こす可能性があります。骨髄炎になると、発熱、激しい痛み、しびれ、膿が出るなどの症状が現れ、長期的な治療が必要になります。

虫歯を放置することで、このような重篤な合併症を引き起こすリスクがあることを理解しておきましょう。

虫歯の放置期間による危険度

虫歯の進行速度は個人差がありますが、一般的な目安として放置期間ごとの危険度を解説します。

虫歯は一度発症すると自然治癒することはありません。放置すればするほど症状は悪化し、治療も複雑になっていきます。早期発見・早期治療が何よりも重要です。

1年以内の放置

虫歯の初期段階では、歯の表面に白や茶色のシミができたり、冷たいものや甘いものを食べた時にしみたりする程度の症状が現れます。

この段階であれば、フッ素塗布や再石灰化療法などの適切な処置を受ければ、歯を削ることなく治療できる可能性もあります。

また、この段階で重要なのは、虫歯の原因となる生活習慣の改善です。糖分の多いものの摂取を控え、フッ素入りの歯磨き粉で食後の丁寧な歯磨きを心がけましょう。

2〜3年放置

2〜3年放置すると、虫歯は象牙質まで進行し、冷たいものや熱いものがしみるようになります。また、甘いものを食べると痛みを感じることもあります。

この段階では、歯を削って詰め物や被せ物をする治療が必要になります。放置すればするほど、削る量も多くなり、治療も複雑になっていきます。

また、この段階から徐々に口臭も強くなり始めるため、周囲の人に不快感を与える可能性もあります。

5年以上放置

5年以上放置すると、虫歯は歯の神経まで到達し、激しい痛みを伴うようになります。この段階では、根管治療(神経を取る治療)が必要になることが多いです。

根管治療は複数回の通院が必要で、治療費も高額になりがちです。また、神経を取った歯は脆くなるため、被せ物が必要になることがほとんどです。

さらに、この段階では口臭も強くなり、噛む機能も低下します。食事の質が落ちることで、全身の健康状態にも影響が出る可能性があります。

10年以上放置

10年以上放置すると、歯の大部分が失われ、抜歯が必要になることも少なくありません。また、周囲の歯や顎の骨にまで影響が及ぶ可能性があります。

抜歯後は、入れ歯やブリッジ、インプラントなどの治療が必要になります。これらの治療は高額で、時間もかかります。また、自分の歯と比べると機能面でも劣ることが多いです。

虫歯を10年以上放置することは、口腔内だけでなく全身の健康にも大きなリスクをもたらします。決して放置せず、早めの治療を心がけましょう。

2025年最新の虫歯治療法

歯科医療技術は日々進化しています。2025年現在、虫歯治療においても様々な最新技術が導入されています。ここでは、最新の虫歯治療法について解説します。

これらの治療法は、従来の治療法と比べて痛みが少なく、治療時間も短縮されるなどのメリットがあります。ただし、すべての歯科医院で受けられるわけではないため、事前に確認が必要です。

レーザー治療

レーザー治療は、従来のドリルを使った治療と比べて、痛みが少なく、精密な治療が可能です。レーザー光を虫歯部分に照射することで、病巣部だけを蒸散除去することができます。

レーザー光には殺菌作用もあるため、二次感染のリスクも低減できます。また、治療時間も短縮されるというメリットもあります。

健康保険の適用も認められていますが、症状や治療内容によっては自己負担となる場合もあります。事前に費用について確認しておくことをおすすめします。

オゾン療法

オゾン療法は、オゾンガスの強力な殺菌作用を利用した治療法です。虫歯菌を効果的に除去し、健康な歯質を残すことができます。

特に初期の虫歯に効果的で、場合によっては歯を削らずに治療できることもあります。また、痛みもほとんどないため、歯科治療に恐怖心を持つ方にもおすすめです。

ただし、現時点では保険適用外の治療法であることが多いため、費用面での検討が必要です。

再石灰化療法

再石灰化療法は、初期の虫歯に対して行われる非侵襲的な治療法です。フッ素やリン酸カルシウムなどの成分を含む薬剤を塗布することで、溶け始めた歯のエナメル質を修復します。

歯を削らずに治療できるため、歯の寿命を延ばすことができます。また、痛みもなく、短時間で終わるというメリットもあります。

ただし、この治療法は初期の虫歯にのみ有効です。虫歯が進行している場合は、従来の治療法が必要になります。

最新の根管治療テクニック

神経まで達した虫歯には、根管治療(いわゆる「神経を取る治療」)が必要です。従来の根管治療は成功率が低く、再発のリスクも高いものでした。

しかし、最新のテクニックでは、マイクロスコープを使用した精密な治療や、ニッケルチタンファイルを使用した効率的な根管形成など、成功率を高める様々な技術が導入されています。

当院でも、マイクロスコープを使用した精密根管治療を行っており、従来の治療法よりも高い成功率を実現しています。

虫歯予防と早期発見の重要性

虫歯治療の技術がどれだけ進歩しても、最も重要なのは予防と早期発見です。ここでは、効果的な虫歯予防法と早期発見のポイントについて解説します。

日々のケアを丁寧に行い、定期的な歯科検診を受けることで、虫歯のリスクを大幅に減らすことができます。

効果的な虫歯予防法

虫歯予防の基本は、正しい歯磨きです。歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシも併用することで、歯ブラシだけでは届かない部分の歯垢も除去できます。

また、フッ素入りの歯磨き粉を使用することも効果的です。フッ素には歯を強くする作用があり、虫歯予防に役立ちます。

さらに、糖分の摂取を控えることも重要です。特に就寝前の糖分摂取は避け、摂取後はすぐに歯磨きをすることをおすすめします。

定期的な歯科検診の重要性

虫歯は初期段階では自覚症状がほとんどないため、自分で気づくことは難しいです。定期的な歯科検診を受けることで、初期の虫歯を発見し、早期に治療することができます。

また、歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングは、自分では落としきれない歯垢や歯石を除去してくれるため、虫歯予防に効果的です。

当院では、半年に一度の定期検診をおすすめしています。早期発見・早期治療により、治療の負担を最小限に抑えることができます。

まとめ:虫歯放置のリスクと適切な対処法

虫歯を放置することで、単なる歯の痛みだけでなく、全身の健康にまで影響を及ぼす可能性があることがわかりました。特に注意すべきなのは、痛みがなくなったからといって安心してはいけないということです。

虫歯の進行度合いによって現れる7つの症状を理解し、早期の段階で適切な治療を受けることが重要です。また、2025年現在の最新治療法を知っておくことで、より効果的な治療選択ができるでしょう。

何よりも大切なのは、日々の丁寧なケアと定期的な歯科検診です。予防と早期発見こそが、健康な歯を守る最良の方法なのです。

虫歯でお悩みの方、定期検診をご希望の方は、ぜひ赤坂ひろデンタルにご相談ください。最新の設備と技術で、あなたの大切な歯をサポートいたします。詳しくは赤坂ひろデンタルの公式サイトをご覧ください。

 

記事監修医師
西原 宗信 院長

西原 宗信 院長

赤坂ひろデンタル

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