歯がボロボロでも全部抜く必要はない!差し歯・ブリッジ・インプラントの選択基準を徹底解説
歯がボロボロになってしまったとき、「もう全部抜くしかないのか」と絶望的な気持ちになる方は少なくありません。
しかし、実際には全ての歯を抜く必要はないケースがほとんどです。
差し歯、ブリッジ、インプラントという選択肢があり、それぞれに明確な適応条件が存在します。
私は赤坂ひろデンタルで多くの「歯がボロボロ」という状態の患者様を診てきましたが、適切な診断と治療計画によって、残せる歯は最大限残し、失った部分は最適な方法で補うことができるのです。

差し歯・ブリッジ・インプラントの基本的な違いとは
まず理解していただきたいのは、これら3つの治療法は「歯根が残っているかどうか」によって選択肢が大きく変わるという点です。
差し歯が適応となる条件
差し歯は、歯の根が健康に残っている場合に選択される治療法です。
虫歯や外傷で歯の上部が大きく損傷しても、歯根がしっかりしていれば土台を作り、その上に人工の歯冠を被せることができます。
治療期間は比較的短く、1~2週間から1ヶ月程度で完了します。保険適用の場合、費用は1本あたり3,000円から15,000円程度と経済的な負担も軽減できます。
ただし、歯根が割れていたり、歯周病が進行して骨の支持が失われている場合は適応外となります。
ブリッジの特徴と適応範囲
ブリッジは、歯を1本または数本失った場合に、両隣の歯を支えとして橋渡しのように人工歯を固定する方法です。
固定式のため入れ歯のような違和感がなく、天然歯に近い咬み心地が得られます。
しかし、支えとなる両隣の歯を削る必要があり、健康な歯にも負担をかけることになります。ブリッジの平均寿命は7~8年とされ、支台となる歯への負担が大きいため、長期的には慎重な判断が必要です。
インプラントの仕組みと利点
インプラントは、歯根ごと失った場合でも対応できる治療法です。
顎の骨に人工歯根(チタン製のインプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着します。
周囲の健康な歯を削る必要がなく、独立した歯として機能するため、他の歯への負担がありません。治療期間は3ヶ月から半年程度かかりますが、適切なメンテナンスを行えば10年以上の長期使用が可能です。
費用は1本あたり25万円から50万円程度と高額ですが、長期的な視点で見ると費用対効果は高いと言えます。

歯がボロボロの状態でも残せる歯の見極め方
「歯がボロボロ」という状態は、患者様によって大きく異なります。
残せる歯の条件
歯根がしっかりと骨に支持されていること、歯根に亀裂や破折がないこと、根管治療によって感染をコントロールできること……これらの条件を満たせば、歯は残せる可能性があります。
虫歯が進行して歯冠部分がほとんど失われていても、歯根が健全であれば差し歯による修復が可能です。
私の経験では、一見「抜くしかない」と思われる歯でも、精密な根管治療とマイクロスコープを用いた処置によって保存できるケースが多くあります。
抜歯が必要な歯の判断基準
一方で、歯根が縦に割れている場合、歯周病が進行して骨の支持が大幅に失われている場合、根尖病巣が大きく保存的治療では改善が見込めない場合などは、抜歯を選択せざるを得ません。
無理に残すことで周囲の骨や隣接する歯に悪影響を及ぼすリスクもあるため、総合的な判断が重要です。
CT検査と精密診断の重要性
正確な診断には、レントゲンだけでなくCT検査が不可欠です。
CTによって骨の状態、歯根の形態、病巣の広がりを三次元的に把握できます。赤坂ひろデンタルでは、写真・動画・CT・口腔内スキャンを活用した「見える化」を徹底し、患者様ご自身が現状を理解した上で治療方針を決定できるよう心がけています。

ケース別の最適な治療選択
前歯が1本欠損している場合
前歯は審美性が最も重要視される部位です。
歯根が残っていれば、セラミック素材を用いた差し歯で自然な見た目を再現できます。歯根がない場合、ブリッジかインプラントの選択になりますが、両隣の健康な歯を削りたくない場合はインプラントが推奨されます。
インプラントであれば、天然歯と見分けがつかないほどの審美性を実現でき、周囲の歯への負担もありません。
奥歯が複数本失われている場合
奥歯は咬合力が強くかかる部位のため、耐久性が重要です。
複数本の欠損がある場合、ブリッジでは支台となる歯への負担が過大になるリスクがあります。インプラントを複数本埋入することで、各歯が独立して機能し、咬合力を適切に分散できます。
また、部分入れ歯という選択肢もありますが、取り外しの煩わしさや咬合力の低下を考慮すると、長期的にはインプラントの方が生活の質を維持しやすいと言えます。
全体的に歯がボロボロの場合
全顎的に歯の状態が悪い場合、まず残せる歯と抜歯が必要な歯を正確に診断します。
残せる歯は根管治療や歯周病治療を徹底的に行い、失われた部分はインプラントやブリッジで補います。場合によっては、複数のインプラントを支台として固定式の義歯を装着する「オールオン4」という治療法も選択肢となります。
赤坂ひろデンタルでは、咬合の再構成を含め、見た目だけでなく機能面まで全て考慮した治療計画を立案します。

治療の流れと期間の目安
差し歯治療の流れ
初診時に口腔内の状態を確認し、必要に応じて根管治療を行います。
根管治療が完了したら、土台(コア)を作製し、型取りを行います。その後、セラミックやレジンなどの素材で作製した人工歯冠を装着します。
全体で2~4回の通院、期間にして1~2週間から1ヶ月程度で完了します。
ブリッジ治療の流れ
支台となる両隣の歯を削り、形を整えます。
型取りを行い、技工所でブリッジを作製します。仮歯を装着して数日間過ごし、問題がなければ最終的なブリッジを装着します。
通院回数は3~5回程度、期間は2~4週間が一般的です。
インプラント治療の流れ
CT検査による精密診断の後、インプラント埋入手術を行います。
手術自体は1~2時間程度で終わりますが、その後インプラントと骨が結合するまで2~6ヶ月の治癒期間が必要です。結合が確認できたら、人工歯を装着します。
赤坂ひろデンタルでは、希望に応じて静脈内鎮静法を用いることで、眠っている間に手術を終えることも可能です。
費用と保険適用について
保険適用の範囲と制限
差し歯とブリッジは、条件を満たせば保険適用が可能です。
前歯の場合は白いレジン前装冠、奥歯は金属冠が保険診療の範囲内となります。ただし、審美性や耐久性を重視してセラミック素材を選択する場合は自費診療となります。
インプラントは原則として保険適用外ですが、事故や腫瘍など特別な事情がある場合は例外的に適用されることがあります。
自費診療の費用相場
セラミックの差し歯は1本あたり5万円から12万円程度、セラミックブリッジは欠損部位を含めて15万円から30万円程度が相場です。
インプラントは1本あたり25万円から50万円程度で、骨造成が必要な場合は別途費用がかかります。
赤坂ひろデンタルでは、デンタルローンや各種クレジットカード、キャッシュレス決済に対応しており、保険診療でもキャッシュレス支払いが可能です。
長期的な費用対効果の考え方
初期費用だけで判断するのではなく、耐久性やメンテナンス費用も含めた長期的な視点が重要です。
ブリッジは7~8年で作り直しが必要になることが多く、その際に支台となっている歯の状態が悪化していれば、さらに治療範囲が広がる可能性があります。
インプラントは初期費用は高額ですが、適切なメンテナンスで10年以上使用でき、周囲の歯への負担もないため、長期的には費用対効果が高いと考えられます。

治療後のメンテナンスと長持ちさせるコツ
差し歯のメンテナンス
差し歯と天然歯の境目は虫歯になりやすいため、丁寧なブラッシングとフロスの使用が不可欠です。
定期的な歯科検診で、差し歯の適合状態や歯根の健康状態を確認することが重要です。
ブリッジのケア
ブリッジと歯茎の間には食べ物が詰まりやすく、清掃が難しい部位です。
歯間ブラシやフロススレッダーを使用して、ブリッジの下部まで丁寧に清掃する必要があります。支台となっている歯の健康を維持することが、ブリッジの寿命を延ばす鍵となります。
インプラントの定期管理
インプラント周囲炎を予防するため、天然歯以上に丁寧な口腔ケアが求められます。
3~6ヶ月ごとの定期検診で、インプラント周囲の骨や歯茎の状態、咬合のバランスをチェックします。赤坂ひろデンタルでは、患者様の状態に合わせた最適なメンテナンス間隔を提案しています。
まとめ:あなたに最適な治療法を選ぶために
歯がボロボロになっても、全て抜く必要はありません。
差し歯、ブリッジ、インプラントという選択肢があり、それぞれに明確な適応条件とメリット・デメリットが存在します。
最も重要なのは、精密な診査診断に基づいた治療計画です。残せる歯は最大限残し、失った部分は最適な方法で補う……この基本方針が、長期的な口腔の健康を守ります。
赤坂ひろデンタルでは、CT・マイクロスコープ・口腔内スキャンなど最新設備を用いた精密診断と、患者様一人ひとりの状態に合わせた治療計画の立案を行っています。
「痛くない・抜かない・削らない治療」を基本方針とし、可能な限り自分の歯を残す治療を心がけています。
歯の状態でお悩みの方は、まずは一度ご相談ください。詳しい診査と丁寧な説明を通じて、あなたに最適な治療法をご提案いたします。
詳細はこちら:赤坂ひろデンタル

著者情報
赤坂ひろデンタルクリニック 院長 西原 宗信(にしはら ひろのぶ)
資格
- 日本歯科医師免許
- ドイツ歯科医師免許
- ドイツインプラント学会「認定インプラント専門医」
研究論文
- ジルコニアインプラント 基礎研究:システマティックレビュー
著書
- 「ITI トリートメントガイド」(翻訳)
経歴
-
- 2013年3月 九州大学 歯学部 卒業
- 2013年4月~2014年3月 九州大学病院 口腔総合診療科にて研修
- 2014年9月~2017年12月 独Freiburg大学 補綴・インプラント科 所属
- 2018年1月~2018年12月 医療法人祐歯会をはじめ、非常勤として複数医院
にて勤務
- 2019年1月~2022年4月 医療法人社団さくら会 MMデンタルクリニック 勤務
- 2022年6月 赤坂ひろデンタル smile design & works 開院
役職
- ITI エデュケーション委員
- ITI SC MM director