2024/11/28

要注意!虫歯を放置すると起こる5つの深刻な症状と合併症

今日は、私の臨床経験の中で実際に遭遇した深刻なケースを元に、虫歯放置の危険性についてお話しします。

虫歯放置の実例から学ぶ

 
先日、こんな患者さんが来院されました。 「痛みがなかったから放っておいたら、突然激痛が…。仕事中だったのでパニックになりました」(40代男性)
実は、このような事例は決して珍しくありません。虫歯は、痛みがないからといって放置すると、取り返しのつかない事態を招くことがあるのです。
 

虫歯放置で起こる5つの深刻な症状

 

1. 激しい痛みと腫れ

 
実際の症例: 先月来院された30代女性の例です。奥歯の虫歯を2年間放置したところ、ある日突然、頬が腫れ上がり、38度の熱が出てしまいました。

起こりうる症状:
・ズキズキする痛み
・顔の片側が腫れる
・発熱を伴う
・痛みで眠れない
・噛めない・食べられない

2. 歯の神経の死滅

 
症状の進行:
・最初は温度刺激での痛み
・やがて自発痛に発展
・突然の痛みの消失(神経が死んだ証拠)
・その後の歯の変色・歯がかけ始める
実際に、20代の患者さんで、前歯の虫歯を放置したことで歯が真っ黒に変色してしまったケースがありました。

3. 膿瘍の形成と蜂窩織炎

 
危険な症状:
・歯茎に膿の袋ができる
・頬や顎が大きく腫れる
・呼吸が困難になることも
・重症化すると入院治療が必要
・治療をしたくても腫れていたり、痛みがあると麻酔が効かないため治療が困難になる

4. 周囲の歯への感染拡大

 
影響範囲:
・隣接する歯への進行
・歯周組織の破壊
・骨の吸収
・複数の歯へ感染が波及するリスク

5. 全身への影響

 
合併症のリスク:
・心内膜炎
・糖尿病の悪化
・認知症リスクの上昇
・早産のリスク増加
 

放置による深刻な合併症

 

■命に関わるケースも

実際に経験した深刻な事例をご紹介します。50代の男性患者さんは、奥歯の虫歯を1年以上放置していました。ある日、急激な腫れと高熱で救急搬送され、蜂窩織炎と診断。1週間の入院治療が必要になってしまいました。

■治療費用の増大

早期発見・早期治療との比較:
・初期虫歯の治療:3,000〜5,000円(保険診療の場合)
・神経治療が必要な場合:5〜9万円(顕微鏡による精密根管治療の場合)
・抜歯後のインプラント:60〜万円
 

予防と早期発見のポイント

 

1. 定期検診の重要性

・3-4ヶ月に1回の検診
・レントゲン検査(原則1年に1度)
・早期発見・早期治療

2. 日々のケア

・正しい歯磨き方法
・デンタルフロスの使用
・歯間ブラシの活用

3. 症状が出たら即受診

・チクチクする痛み
・冷たいものがしみる
・食べ物が詰まりやすい
 

放置してしまう人の特徴と対策

 

■よくある言い訳と実態

1.「時間がない」 → 休日診療や夜間診療を行う医院も増えています
2.「痛くないから大丈夫」 → 痛みがない=安全ではありません
3.「費用が心配」 → 放置すればするほど高額になります
 

治療を始めるベストなタイミング

 

■症状別の目安

 
軽度の症状:
・冷たいものがしみる
・食べ物が詰まりやすい →この段階なら比較的短期間で治療完了
 
中度の症状:
・時々痛みがある
・噛むと痛い →神経治療が必要になる可能性大
 
重度の症状:
・常に痛みがある
・腫れている →即座に治療が必要
 

まとめ:早期発見・早期治療が重要

 
虫歯の放置は、想像以上に深刻な結果を招く可能性があります:
・痛みや腫れによる生活への支障
・治療費用の増大
・全身への健康影響
 
少しでも気になる症状があれば、すぐに歯科医院を受診することをお勧めします。「様子を見よう」は危険な選択肢です。
特に以下の症状がある場合は、要注意です:
・冷たいものがしみる
・食べ物が詰まりやすい
・時々痛みがある
 
早期発見・早期治療こそが、健康な歯を守る最善の方法です。定期的な検診と適切なケアで、快適な生活を維持しましょう。
不安な点がありましたら、まずは気軽に歯科医院にご相談ください。あなたの歯の健康を守るお手伝いをさせていただきます。

〒107-0052
東京都港区赤坂2-14-31 ウィンド赤坂2F 03-6230-9575

TEL:03-6230-9575
トップに戻る